転校生は双子くん
チャーリーは質問を続けた。
「昼間、涼介と何かあった?」
昼間……?
私は、廊下の端であった一件について思い出した。
私を隠すように覆い被さってきたクリリン。
至近距離で見つめたクリリンの茶色い瞳。
シャツから香ってきた洗剤の匂い。
また、あのドキドキが蘇ってきた。
頭の先まで血がのぼって、顔が熱くなる。
「ななな何かって!?
たただ、文化祭を一緒に回っただけよ」
こんなにどもっちゃったら、何かありました。って言ってるようなもんじゃん!
私のバカ!
何とか誤魔化さないと…!
「お、お財布を忘れちゃってね。クリリンにいろいろ買ってもらったんだ。
食べ物をたくさん食べて、あ、それからうちの親にばったり会ったの。
クリリンの事を彼氏と勘違いしちゃってね、リョウちゃんってあだ名をつけられて
えーと、それからーー…」
続きを考えていると、急に視界が暗くなる。
そして次の瞬間、唇に何か触れた感触を感じた。
ん?なに!?
視界がまた明るくなると、チャーリーの顔が目に飛び込んできた。
眉間に皺を寄せて、悲しそうな表情をしたチャーリーの顔で、私の視界はいっぱいになる。
それからチャーリーは両手で、私の頬を包みこんだ。
「ごめん…その話はもう聞きたくない…」
暫く、私はフリーズした。
………私、いまチャーリーに……
キスされたーーー!?