転校生は双子くん

スプーンに乗ったひと塊のアイスクリームが、テーブルの上に落ちた。


「……信じらんない…」



香織が口に入れ損なったアイスクリームが、テーブルの上で液体状に変わっていく。


「鈍い鈍い鈍いと思っていたけど、まさかここまでだったとは…」


口を開けたまま、首を横に何度も振りながら香織は言った。


「なにが?」


「何が?じゃないわよー!
キスまでされといて、裕次くんの気持ちに気づかなかったの!?」


「うん。タモちゃんに教えてもらった」


「先生にそんなことを相談する良子も良子だけど、
答えてくれるタモちゃんも、タモちゃんだわ…」


香織はフーと息を吐き出し、紅茶を啜った。


「私はどうしたらいいかね?」


「どうしたらいいも何も、良子の気持ち次第でしょ」



私の気持ち次第─…か。


なるほど…。





「で?どうしたらいいの?」




香織は、ガクッと椅子から滑り落ちた。


「あのねー…、だから!
 良子は裕次くんのことをどう思っているの?」



チャーリーのことを…?


それは……








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