転校生は双子くん

「さあ？分かんない」



また香織が、ガクリとうな垂れた。



「良子ー。その調子じゃ涼介くんの気持ちにも気づいてないでしょ？」


「クリリンの気持ち？」



…って何？


私は首を傾げた。



「やっぱり分かってないか…。

文化祭のとき、皆の前であんなこと言われてんのに…。

これじゃあ涼介くんが…ううん、２人が報われないわね」



私にはよく分からないけど、香織は全部分かっているみたい…。



「なになに！？分かっているなら教えて！」


「私から言えることはこれだけよ。

良子が一番好きって思える人に、素直な気持ちを伝えることが大事だよ」





一番好きな人に、素直な気持ちを伝えるか……。


なるほど……。



「ねぇ、香織？
そもそも好きって、どういう気持ち？」


「はぁ、なんて基本的なことを…。
良子、もしかして今まで好きな人いなかったの？」




今まで…

これまでの人生が走馬灯のように蘇る。