転校生は双子くん
木から落ちた葉っぱが、パラパラと宙を舞って地面に落ちていく。
その様子を眺めながら、温かいココアを飲む。
至福のひと時だ。
「お前さ、文化祭のとき……」
隣に座るクリリンからの声に、私は視線だけそちらに移す。
しかし、クリリンは遠方を見据えたまま、続きを喋り出さない。
「私が文化祭のとき何?」
私は、その先の言葉を促した。
私のほうに顔を向けたクリリンは、何か思いつめるような真剣な表情をしていて、私はドキリと胸が高鳴る。
そんな真剣な顔をして、何を言い出すんだろう?
「お前……」
私は1つ頷いて、続きを待った。
声が表に出される瞬間、クリリンの喉が動く。
私の緊張は最高潮に達していた。
「………なんでもね」
ピンと張られた糸をハサミで切られたみたいに、私は力をなくして後ろの芝生に倒れこんだ。