転校生は双子くん
「なにそれーー!
あれだけもったいぶっておいて!
何んでもないって事はないでしょー!」
「別に何でもないって言ってるだろ。
気にすんな」
「気にすんなって、気になるわー!!
何か言いたいことがあるなら言ってよー!」
私はクリリンの胸倉を掴んで詰め寄った。
「さあクリリン!薄情なさい!」
「……お前、近い…」
ん?近い?
クリリンの言葉にハッと気づく。
目の前にあるクリリンの顔。
いつか見た茶色い瞳。
そう…文化祭のときだ…。
クリリンの体温。
シャツの洗剤の匂い。
あの時のドキドキが蘇ってきたみたいに、私の心臓は早鐘を打つ。
なんで私こんなにドキドキしてるんだろう…。
ふいに、香織の言葉を思い出す。
『私は、その人といると楽しかったり、一緒にいるとドキドキしたりするかな。
ずっと一緒にいたいと思えるような……』
一緒にいるとドキドキ…
私、してるーー!!
どうしよう…。
拝啓
お母さん
私、人を好きになったみたいです?