転校生は双子くん
「涼介くんは?彼女とかいるの?」
興味津々でクリリンに聞いた香織。
「ダメダメ。こいつは無愛想だから、女の子が恐がっちゃって」
「ああ。納得!確かに恐いよね!!恐い恐い!!」
チャーリーの言葉に、私はうんうん頷いた。
視線を感じて、そちらの方を見ると……
アワワワワ…。
恐ろしい顔で睨んでいるクリリンと目が合ってしまった。
「えーー、でもモテるでしょう?彼女作る気はないの?」
香織の言葉に、ますます顔をしかめるクリリン。
「別に…女なんてギャーギャー煩いだけだし…」
いつも煩くして、スマン。
一応、女である私も嫌だったのかな?
ズキン……
また、心臓の奥のほうに痛みが走る。
私はそれを抑えるように、ご飯を頬張った。
「でも、良子ちゃんは特別みたいだよなー」
チャーリーの言葉にピクリと反応する。
「ほえ?」
私は特別?
なんで?
「…コイツは、女じゃねーだろ」
吐き捨てるようにしてクリリンが言った。
ズキンズキン──…
この痛みは何だろう。
その日は、クリリンの笑った顔は見れなかった──…。