転校生は双子くん
「よしこ!!先生何だって?
呼び出されるってことは、相当テストの点数悪かったの?」
生徒指導室を出た私を待ち構えていたのは、親友の香織だった。
「えっーと、何て言ってたっけな…?確か……
"先生は、私のいない世界で生きたい”
って言ってたよ。あとはねぇ~…」
「………。その一言で充分過ぎるほど、分かったわ…」
「ああ。そう?」
私の名前は〔吉本 良子〕
(よしもと よしこ)
”よし”が2回も重複している処からして、きっと親はわたしの名前を適当につけたに違いない。
高校1年生で、彼氏はなし。
これといった特技もない。
顔も普通だと思われる。
それでも、私は私なりに人生を毎日楽しく生きている。
あえて言うなら、特技は
【楽しいことを見つけ出すこと】だろうか。
どんなことにも動じず、くじけない。
常に前向きに生きる。
これが私のポリシーであり、長所でもある。
「それにしても、あの温厚なタモちゃんにそこまで言わせるなんて、ホント凄いよねぇ。良子は」
「タモちゃんも、きっとお疲れなんだよ」
タモちゃんとは、先ほどの担任の先生。
岩田 森之介
(いわた もりのすけ)で、通称"タモちゃん”
誰が決めたのか知らないけど…。