転校生は双子くん
「ハイ!ちょっと待ったーーー!!」
私は思い切り手を挙げる。
「金沢って誰が決めたんですか!?」
教壇に立っている学級委員長は唖然としている。
「お前なぁ、今更なに言ってんの?
もう、これは決定事項なんじゃ!」
助け舟を出したのは担任のタモちゃんだった。
「いつ決定したんですか!?」
「それはな、お前がグースカ眠ってたHRの時間だ!」
「ええーー!それなら起こしてくれれば良かったのに!!」
「アホか!嫌ならちゃんと起きとけ!」
そんなぁ…。
私、鳥取砂丘に行って、砂丘を駆け上がるのが夢だったのに~…。
「ハイ!!就学旅行って、いつ行くんですか!?」
私の言葉にタモちゃんは大きく溜息を吐き出した。
「吉本…お前はここで留守番じゃ!!
いつ行くかってなぁ……来週の月曜からだ!!」
来週!?
来週の月曜って、もう一週間もないってことぉ!!
聞いてないよぉぉぉ!
「はい。学級委員長!吉本はここで留守番ってことで、話を進めて!」
「タモちゃん!!ちょっと待って!!」
「うるさい!お前はもう連れていかん!」
「待って!タモちゃん!コレあげるから!!」
私はタモちゃんに昨日の浅草の思い出、おみくじを差し出した。
「なんやこれ……人が引いたおみくじなんていらんし、第一、凶ばっかりやんけ!!お前、留守番決定!!」
ギャーーー!嫌だーーー!!