転校生は双子くん

「ハイ!ちょっと待ったーーー!!」


私は思い切り手を挙げる。


「金沢って誰が決めたんですか!?」


教壇に立っている学級委員長は唖然としている。


「お前なぁ、今更なに言ってんの?
もう、これは決定事項なんじゃ!」


助け舟を出したのは担任のタモちゃんだった。


「いつ決定したんですか!?」


「それはな、お前がグースカ眠ってたHRの時間だ!」


「ええーー!それなら起こしてくれれば良かったのに!!」


「アホか!嫌ならちゃんと起きとけ!」



そんなぁ…。


私、鳥取砂丘に行って、砂丘を駆け上がるのが夢だったのに~…。



「ハイ!!就学旅行って、いつ行くんですか!?」



私の言葉にタモちゃんは大きく溜息を吐き出した。



「吉本…お前はここで留守番じゃ!!
いつ行くかってなぁ……来週の月曜からだ!!」



来週!?


来週の月曜って、もう一週間もないってことぉ!!


聞いてないよぉぉぉ!



「はい。学級委員長!吉本はここで留守番ってことで、話を進めて!」


「タモちゃん!!ちょっと待って!!」


「うるさい!お前はもう連れていかん!」


「待って!タモちゃん!コレあげるから!!」



私はタモちゃんに昨日の浅草の思い出、おみくじを差し出した。



「なんやこれ……人が引いたおみくじなんていらんし、第一、凶ばっかりやんけ!!お前、留守番決定!!」




ギャーーー!嫌だーーー!!






< 43 / 136 >

この作品をシェア

pagetop