転校生は双子くん
「みんな寝ちゃってるし……」
いつの間にやら寝息をたて始めていた友人たち。
今頃、みんなは夢を見てるのかな?
手順をあやふやにしか覚えてない私が、もし本当にその夢を見たら、一生夢から出られないことは確実である。
「みっちゃん起きて!もう一回手順を教えて!!
その小指は、まずどっちの手に持てばいいんだっけ?
左?右?両手?」
隣で眠っているみっちゃんを揺すり起こそうとしたが、「ヨッシーうるさい!!」と怒られてしまい、結局、みっちゃんは起きてはくれなかった。
どうしよう…。眠いけど眠れない…。
…って、眠らなきゃいいんじゃん!
眠らなければ、夢をみることもないだろう。
私は開き直ることにし、徹夜を決心する。
部屋にいたら眠っちゃいそうだから、外に出よう…。
部屋の外にでると、シンと静まり返った長い廊下が続いている。