転校生は双子くん
「ううう。恐いよー」
薄暗い廊下を徘徊していると、ある部屋から灯りが漏れていて、中から楽しそうな声が聞こえてきた。
そーっと近づいて、障子の隙間から中を覗く…。
楽しい声の主達は、うちの学校の教師たちであった。
宴会してる…。
ずるい!!
私たちには「早く寝ろ」なんて言っておいて!!
「はい!裸踊りをします!!」
「ギャー!!ひっこめーー!!」
裸踊りをしようとしているのは、我担任のタモちゃんであった。
異様な光景を目撃してしまった私…。
見なかったことにしよう…。
それが大人の対応であり、優しさである。
きっとタモちゃんも大変なんだ…。
大人だからストレスもたくさん溜まってるんだろうし…。
私は障子の隙間をそーっと閉め、宴会場をあとにした。
まだまだ夜の徘徊は続く。
なんせ私は一晩中起きてないといけないからだ。
一階に降り、ロビーを抜け、ひたすら歩く。
ポンッ─…
すると突然、肩を叩かれた。
誰!?
まさか、幽霊?
「ギャーー!!」