転校生は双子くん


心底くだらない話を聞いたという顔をしているクリリン。



「くだらなくなんてないさ!!もし本当に夢をみたらどうするの!?
 小指を指示通りに置かないと、夢から一生出て来れないんだよ!?」



「そんなもん適当に置いとけ…」


「適当じゃ駄目なんだってばーー!」


「じゃあ、破壊しろ」


「罰当たりめ!!」



クリリンは実際に聞いてないから分からないんだ…。

この恐さが…。

人事だと思って~。

おのれクリリンめ!!






「……じゃあ、話せよ」


「…えっ?」


「その怪談話ってやつ。話だけは覚えてるんだろ?」


「ええ。まあ…」



確かに夢の手順は覚えてないけど、怪談話のほうは印象的だったし、短い話だったから覚えている。



「でもでも、私、手順覚えてないんだよ!?
 それでクリリンも夢見ちゃったら、夢から抜け出せなくなるんだよ!?」



「別に構わねぇよ…。
その夢から抜け出せなくなったのが、おまえ1人だけじゃなかったら、恐さも半減すんじゃねーの?」




夢でクリリンと2人?



何か恐い話なのに、恐くなくなってきた。


きっと夢の中でもクリリンはクールで、幽霊にも「うるさい。どっか行け」とか言ってるんだろうな…。



ぷぷぷっ。


あんなに恐いと思っていたのに、クリリンと2人なら、夢の中にいてもいいかな。って思えるから不思議だ。







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