転校生は双子くん


「話さねぇなら、俺は寝る」


立ち上がろうとしたクリリンの袖を引っ張った。


「キャー!待って!私を1人にしないでぇ!!」



クリリンはちょっと笑ってから、「じゃあ、話せ」と短く言った。



顔色を1つも変えないで、ただ黙って怪談話を聞いてくれたクリリンは、その後、部屋の前まで送ってくれた。



「本当に夢の中で会えるかなー…」


ちょっと不安になった私がクリリンに聞くと、「もし会えなかったら、捜しに行ってやる」と言って、ポンポンと私の頭を叩いてから、自分の部屋に帰っていった。




再び、ベットの中に戻ってきた私は、浅草で撮ったクリリンの写真を枕の下に入れて寝た。






─その夜、私は夢をみた。


それは怪談話の夢ではなく、何故かクリリンが裸踊りをしていて、それを見た私が爆笑している夢だった。




そして朝になり、同室の子たちから、「寝ながら大笑いしている私の声で起こされた…」と文句を言われた。





ついでに、枕の下に入れておいたクリリンの写真は、なぜか私のヨダレでヘロヘロになっていた──…。






< 49 / 136 >

この作品をシェア

pagetop