転校生は双子くん

「黒ヤギさんたら読まずに食べた~♪」


放課後になり、先ほどの"壊滅状態”のテストを千切っている真っ最中。



シュレッターなんて機械は使いません。

1枚、1枚、丁寧に丹念に、心をこめて、手で千切ります。


せめてもの罪滅ぼしだよ…。


「こんなもの、こんなもの……」



「飛んでけ~~!!!」


千切られたテスト用紙は、雪のようにパラパラ宙を舞った。


「わぁ、綺麗…」


こういうのも有効活用っていうのかも。

こんなに綺麗なのに、引き出しの肥やしにするのはもったいないよ。




私のお気に入りの場所。

裏庭の陰。

人気がなくて落ち着く場所。



「さぁ~て、お次は英語と、数学か…。
こいつらはどうしてくれようか…。
そうだ!紙飛行機にして飛ばしちゃおう!!」



はて?紙飛行機って、どうやって作るんだっけ?


折り方を思い出していると、突如、強い風が吹く。



「あ~、私の英語のテストがぁ!!」


強い風に吹かれて、英語のテストが飛ばされていく。


「待て待て~!お前、そんなに紙飛行機になるのが嫌なのかぁ!!」



遠くへ、遠くへ、飛ばされていく英語のテスト。

Oh my Got!!



飛ばされていく先に人の姿が…。



「その子を捕まえて~!!」




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