転校生は双子くん
「そして、ここが近江町市場。
新鮮な生鮮品のほかにも青果や、ドライフルーツ、かわきもの、佃煮なんかも売ってる。
魚介類のおみやげを買うなら、ここがオススメだよ」
アーケードになった市場には、たくさんのお店が軒を連ね、活気で溢れている。
「今の季節だったら甘エビ、カレイ、アマダイが旬かな。
ちょっとカニの季節には早かったみたいだ」
そこで私はチャーリーが勧めてくれた甘エビをお土産に買った。
クール宅急便の手配までしてくれて、至れり尽くせりである。
「この市場にあるお寿司やさんで昼食をとろう。
今朝、上がったばかりの鮮魚を出してくれるから、きっと美味しいと思うよ」
チャーリーが連れて行ってくれたお寿司やさんは、とても高校生の修学旅行生が入るようなお店ではなく、敷居の高いお寿司やさんだった。
「…チャーリー?こんな高そうなお店に入って大丈夫?
お寿司、回ってないけど……」
私の中でお寿司屋さんは、”回っているもの”という固定観念がある為、お寿司が回っていないと落ち着かないのは仕方のないことだ。
チャーリーはくすくす笑って言った。
「大丈夫。なんせ今日は良子ちゃんを1日レンタルさせて貰っているんだからね。
これくらいはさせて貰わないと。
それに見た目よりは気さくなお店だよ?隠れた名店ってやつだね」