転校生は双子くん


そろそろ、夕暮れに差しかる午後3時─…


私達は、ひがし茶屋街にやってきた。


「ここは夕暮れ時に来るのがいいんだ。
昼と夜では違う顔をのぞかせてくれるからね」



ひがし茶屋街には和の可愛い雑貨屋さんがたくさんあった。


和柄の小物雑貨、アロエエキスや、コラーゲンの入った油とり紙、和風のアクセサリー……。

見るものすべてが可愛らしく、目移りしてしまう。


そこでは和柄の可愛いポーチと、ハンカチを購入した。




「自分の好みの香りに調合してくれるお香専門店もあるよ」


そのお香屋さんで、自分の好きな香りを作ってもらい、チャーリーがプレゼントしてくれた。


お花の、甘い香りが鼻をかすめる…。

やさしく、ふんわりとした、春の香り─…。



「チャーリー、ありがとう!」


「いえいえ。どういたしまして。
好みの香りが見つかって良かったね。

さぁ、次は抹茶を飲みに行こう。
本格的な抹茶が飲めるよ」




ここが茶店──…?


見た目は古い日本家屋だが、一応看板が立てられている。



「この建物は、国重要文化財にも指定されているんだ。

 昔の茶屋の様子がそのまま再現されている。
 中も見学できるよ」



その当時に使われていた家具や生活用品がそのまま展示されており、昔の人の気配を感じる──…。


畳の上を歩くと、昔の生活のぬくもりを感じさせてくれる。


なんか、暖かい…。



「下の別棟で抹茶が飲めるんだ。

 階段が急になっているから気をつけて」








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