転校生は双子くん


唖然としたクリリンに続けて言う。



「アナタァ!おかえりなさーい!

今夜は先にご飯にするぅ?それともお風呂ぉ?」



私の言葉に、ますます唖然とした様子のクリリン。




「………は?」


「だーかーらー!
先にご飯にする?それともお風呂?」



「………風呂…って言ったらあんの?」


「ない」


「じゃあ聞くな」


「マニュアルですから」



「…………」


「…………」











教室の隅の席で、居心地悪そうにコーヒーを啜っているクリリンに、私はすこし笑った。




レースをあしらったカーテン、テーブルクロス、ピンクと赤のランチョンマットなど、新婚夫婦の新居をイメージした内装。



ウエイトレスは、白いYシャツに、黒いタイトスカート、ベージュのストッキング、赤いスリッパ。

それに、これまたレースのついた白いエプロンが制服である。




男子曰く、これが一番”そそる格好”なんだそうだ。


完璧、男性客をターゲットにした喫茶店である。




それにしても……


クリリンの手に持たれた、ハート型の取っ手つきの赤いマグカップを見て、私はまた笑った。



似合わない…!!


ぷぷぷ…








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