脱出ゲーム ~二人の秘密の能力~
『はぁ!?超能力のこと話した!?』
話終えた瞬間、開口一番に瀬那がそう叫ぶ。
頭と耳がキーンと響いて痛くなる。
『うぅ…。でも、まぁ、良いじゃん?この方がこの先進みやすいし』
『…ったく、知られた以上はしょうがないけど、これから先は気を付けてよね。七瀬が言っちゃうと私も一緒にパパに怒られるんだから』
『…はーい』
『でも、超能力か…。…まさか』
『まさか?』
『あ、ううん。なんでもない。とりあえず七瀬は操舵室に向かって。私も色々考えるから』
そう言うと、瀬那は一方的に会話を終わらせた。
「…もう、勝手なんだから。…そういえば、操舵室ってどうやって行くんだろう?」
「ロビーのスタッフ専用階段を降りたところにこの船の心臓となるエンジンルームがある。そこにある専用エレベーターから操舵室に行ける」
私の言葉をいつの間にか聞いていた廉が答える。
「ロビーかぁ」
飯田さんに最初に案内してもらったあの豪華な場所だよね。
「ま、エレベーターが通じてるかは分からないけどな」
「そうだった!早くエレベーターを見に行かないとっ!」
ハッとした私は廉の腕を取って、エレベーターに向かって走り出していた。
…ってか、腕ほそっ!
「あっ、おい!ちょっと…」