脱出ゲーム ~二人の秘密の能力~
ポーン。
ちょっと古めなエレベーターの到着音がして扉が開いた。
降りると、そこには赤いじゅうたんがひかれたさっきよりも広い通路が広がっていた。
そして、その廊下からは
「あっ、この下がロビーなんだ」
吹き抜けになっていて金色の柵越しにロビーがはっきりと見えた。
「こっちだ」
もっといろいろ気になるものがあるのに、廉が勝手に歩いてしまうので、急いで廊下を歩いていく。
「ね、ロビーのスタッフ専用階段って普通に入れるものなの?」
「いや、階段へのドアは普通カギがかかってるから入ることは出来ない。だけど、お前のそのカードキーにロビーのパソコンに入っているセキュリティデーターを移せばなんとかなる」
…なんか、何言ってるのか分かんないけど、とりあえず大丈夫ってことだよね!
うん、きっとそうだ。
そう頷いた瞬間
「ぎゃあ!」
ドンっと廉の背中にぶつかった。
顔からぶつかったのもあって、鼻がひりひりする。
「いったぁーい。ちょっと急に止まらないでよ…って、え?」
廉の前には、閉じられた白いドアがあった。
それを見て私は確信した。
ドアには、カギがかかっているのだと。