脱出ゲーム ~二人の秘密の能力~
カギを開けてドアを開くと、保管庫という名の通りマイクや、よくわからない色んな機材、ぬいぐるみや服までもがが散乱していた。
「この中にもう一本のカギが落ちてるってこと?」
「あぁ、でも物が散らかりすぎて見つけるのは大変そうだな…」
廉の言う通り、部屋の中は足場がないくらい散らかってる。
この中から小さなカギを見つけるなんて…。
ちょっとした絶望なんだけど…。
『もしかしたら船が動き出した振動で散らかったんじゃない?それより、何かヒントになるような暗号とかは書いてないの?』
「…うーんと、」
私はものを踏まないようにつま先立ちのまま、気をつけて部屋の中心へ向かう。
ものが散りかりすぎてこれじゃあ暗号も見つけられないんじゃない?
「おい、もしかしてこれ暗号なんじゃないか?」
「えっ、どれ!?」
廉の声に慌てて足を踏み出した瞬間、コンセントの先っぽが私の足に刺さった。
「いっったーーーい!」
負傷したほうの足を抱えて、痛さのあまり飛び跳ねる。
なんでこんなに散らかってるの!?
「…ったく、大丈夫かよ。血は出てないか?」
廉がぶつぶつと言いながらも、手を差し伸べてくる。
「うん、出てない。…あっ、それより暗号は!?」
「…元気じゃん」
廉がそんなことをつぶやきながらも、壁に掛けられた小さな黒板を指さした。