脱出ゲーム ~二人の秘密の能力~
「…えっ、終わり?これが暗号なの…?」
黒板に白いチョークで書かれたであろう文字を見つめて私はつぶやいた。
今まではまさに暗号っぽい暗号だったけど、これは完全に意味が分かんない。
しかもヒントもなし…。
「歌の始まりはイントロってことか?でもはさみの中心と会議の終わりって何なんだ?」
廉も隣で混乱した様子を見せる。
だよね…。
『瀬那、分かった?』
『さっぱりね。ただ、今までの流れから見るとこの言葉通りの意味ではないのかもね』
『言葉通りの意味じゃない…』
頭の中で反復していく。
歌の始まり、ハサミの中心、会議の終わり。
始まりと中心、終わり。
もしかしてこの言葉がヒントだったりする…?
もしかして、もっと単純な考え方なんじゃ…。
その時、頭の中でピンと弾ける音がした。
そっか、そういうことだったんだ!
私が頭の中で大きく頷くと
「『何かわかったの?』か?」
瀬那と廉が同時に聞いてきた。
びっくりしながらも私は二人に声が届くようにこう言った。
「もちろん、謎は解けたよ!」