脱出ゲーム ~二人の秘密の能力~

赤いじゅうたんがひかれた大きならせん階段を下りていくと、目の前には見覚えのある豪華なロビーが広がっていた。


「えっと、廉は…」


キョロキョロと辺りを見回す。


「あっ、いた」


受付カウンターの裏側にあるイスに座る廉の姿が目に入った。


パソコンをしてるみたいだけど…。


なにしてるんだろ?


「あっ、もう大丈夫なのか?」


私に気がついて廉が視線を向けてきた。


「えっ、あ、うん」


適当に答えちゃったけど、大丈夫ってどういう意味なんだろ…。


そこまで考えて、廉の能力を思い出した。


もしかして、廉、気がついてたのかな…?


だから一人にしてくれたりしたの?そういえば、私の超能力も普通に信じてくれたし…。


思えば、初めてあったときから私のことを信じて、そして一緒に前に進んでくれた。


そう思ったとき、心がじんわりと温かくなって、きゅっーっとなるのが分かった。


そっか、廉も私の味方なんだ。


「…廉、ありが」


「それは、脱出に成功きたときでいいから」


私の言葉をさえぎって廉が声を出した。


一瞬むっとしながらも私は笑顔で頷いた。


「うん、絶対に脱出しよう!」


「あぁ!それより…。どうやらロビーにも色々と仕掛けられてるっぽいな」


「そうなの?」


そう聞くと、廉がパソコンの画面を見せてくれた。


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