脱出ゲーム ~二人の秘密の能力~
「解けた…って、分かったのか!?」
『それで、答えは何なの?』
二人の声が同時に降ってくる。
もう、そんなにあせらないでよ!
私は二人に伝えるよう、頭と声で話す。
「この暗号の最大の問題かつヒント、それがこの、あかくしなさいの部分。ねぇ、ちょっとここを一文字ずつ、ゆっくり読んでみて」
「え?」
『別に良いけど…』
二人とも半信半疑ながらも声にする。
『「あ、か、く、し、な、さ、い…っあ!」』
二人が気が付いたように、声を出す。
「そう、これは赤くしなさいじゃない。あ、隠しなさい。つまり、あをここから抜くの。だから答えはんいん!」
『なるほど』
「じゃあこれで、三つの答えがそろったな」
うなずきながら廉が口を開く。
「母、荷台、んいん。これを組み合わせるの?」
「多分な。この文字を並び替えたりしたら答えが出るんじゃないか?」
そう言いながら廉が三つの言葉をメモして並び替えていく。
『ひらながにして考えたほうが良さそうね。はは、にだい、んいん。この八文字を並び替えると…。…っあ』
『…?瀬那、どうしたの?』
「はん…いん。いや、はんにんは…。…ウソだろ」
隣で並び替えてた廉までもが目を見開いて、驚いた声を上げる。
その顔は青ざめてるようにも見える。
「なんなの?」
気になって、衝動を抑えられずに廉のメモを覗く。
そこには並び替えられた文字が…。
「うそ…」
見た瞬間、それしか言えなかった。正直、信じられなかった。
文字が間違ってるのかと、私の目がおかしいのかと思う。
けど…、それ以外の正解は見つからない。
【犯人は飯田】
メモには震える字でそう書かれていた。