脱出ゲーム ~二人の秘密の能力~
ポーンとエレベーターの到着音が響いてドアが開く。
目の前にはコンクリート状の壁に挟まれた何もない真っ直ぐな廊下と、その突き当りに白い扉があった。
さっきいたロビーとは大違い。
「あのドアの先が操舵室だ」
「…はぁ、緊張する」
心臓のドキドキを落ち着かせようと深呼吸をする。
「大丈夫だ、なんせ俺がついてる」
ニッとほほの口角を上げて自信たっぷりに廉が言う。その笑みを見てたら、緊張もどこか行きそうになる。
「…それはこっちのセリフ!絶対、二人で脱出しよう!」
「あぁ!」
力強く指切りげんまんして、笑みを交わす。
うん、絶対大丈夫。
『瀬那、行ってくる…!』
瀬那に伝わるよう、しっかりと思ってドアノブを握りしめた。
「…開いてる」
ゆっくりとドアを開ける。
ドアを開けた先には、一面ガラス張りの窓と、見たことの無い色んな機械が並んだ、私がイメージしたのと同じ景色が広がっていた。
壁のモニターには、監視カメラの映像らしきものが映ってる。
そして、その真ん中で重厚そうなイスに座っていたのが…。
「飯田、さん…」
真っ白で不気味に笑った仮面をつけた人物にそう声をかける。
「ふっ…」
仮面の下でそうあざ笑ったのが聞こえた。
「いい加減その仮面を外したらどうだよ?」
「…あぁ。そうだな…」
白い仮面がゆっくりと外れていく。
…ごくり。
静まり返った部屋に、自分のつばを飲み込む音だけが聞こえる。
そして、完全に仮面が外れた。
「飯田…」
そうつぶやいた廉は、見たことないくらい厳しい顔だった。
「ご名答。さすが、三崎グループ御曹司、三崎廉さん」
その顔は、今朝見たような人の良さそうなえびす顔、そのままだった。
だけど、それはあの時見た優しい笑顔じゃない。
ゾッとするような気味の悪い笑みだった。
「爆発十分前に来るなんて、君たちは優秀だ」
「なら、爆弾を止めろ!それが俺らの希望なんだろ?」
ここで止めてくれたら…!
拳をぎゅっと握りしめる。
だけど、飯田さんは静かに首を横に振った。
「…残念ながらそれは出来ないな。僕の計画は誰にも止められないんだ」
「計画って、一体なんだよ?お前、なんでこんなことしたんだよ?」
責め立てるように、廉が飯田さんに詰め寄る。
その瞳は、すこしだけ潤んでるような気がした。
私はさっきのエレベーターでの会話を思い出す。
目の前にはコンクリート状の壁に挟まれた何もない真っ直ぐな廊下と、その突き当りに白い扉があった。
さっきいたロビーとは大違い。
「あのドアの先が操舵室だ」
「…はぁ、緊張する」
心臓のドキドキを落ち着かせようと深呼吸をする。
「大丈夫だ、なんせ俺がついてる」
ニッとほほの口角を上げて自信たっぷりに廉が言う。その笑みを見てたら、緊張もどこか行きそうになる。
「…それはこっちのセリフ!絶対、二人で脱出しよう!」
「あぁ!」
力強く指切りげんまんして、笑みを交わす。
うん、絶対大丈夫。
『瀬那、行ってくる…!』
瀬那に伝わるよう、しっかりと思ってドアノブを握りしめた。
「…開いてる」
ゆっくりとドアを開ける。
ドアを開けた先には、一面ガラス張りの窓と、見たことの無い色んな機械が並んだ、私がイメージしたのと同じ景色が広がっていた。
壁のモニターには、監視カメラの映像らしきものが映ってる。
そして、その真ん中で重厚そうなイスに座っていたのが…。
「飯田、さん…」
真っ白で不気味に笑った仮面をつけた人物にそう声をかける。
「ふっ…」
仮面の下でそうあざ笑ったのが聞こえた。
「いい加減その仮面を外したらどうだよ?」
「…あぁ。そうだな…」
白い仮面がゆっくりと外れていく。
…ごくり。
静まり返った部屋に、自分のつばを飲み込む音だけが聞こえる。
そして、完全に仮面が外れた。
「飯田…」
そうつぶやいた廉は、見たことないくらい厳しい顔だった。
「ご名答。さすが、三崎グループ御曹司、三崎廉さん」
その顔は、今朝見たような人の良さそうなえびす顔、そのままだった。
だけど、それはあの時見た優しい笑顔じゃない。
ゾッとするような気味の悪い笑みだった。
「爆発十分前に来るなんて、君たちは優秀だ」
「なら、爆弾を止めろ!それが俺らの希望なんだろ?」
ここで止めてくれたら…!
拳をぎゅっと握りしめる。
だけど、飯田さんは静かに首を横に振った。
「…残念ながらそれは出来ないな。僕の計画は誰にも止められないんだ」
「計画って、一体なんだよ?お前、なんでこんなことしたんだよ?」
責め立てるように、廉が飯田さんに詰め寄る。
その瞳は、すこしだけ潤んでるような気がした。
私はさっきのエレベーターでの会話を思い出す。