たった一輪の綺麗と呼ばれる花を。
ーside 心和(ここな)ー
朝の8時。
セットしていた携帯のアラームが鳴った。
重い体を何とか起こし、立ちくらみが落ち着いてからゆっくりベットから出る。
軽く顔を洗って、歯を磨いてからリモコンに手を伸ばしテレビをつけた。
「…朝から、暗いニュースばっかり。」
一人言を呟いてから、私はキッチンへ向かう。
「本当だな。」
そんな一人言に返してくれたのは、去年から病気のことを含めて私の生活を支えてくれている主治医の奥本先生だった。
「おはよう、心和。体調はどう?」
「昨日より、だいぶいいかな。」
「そうか。まだ顔色はあまりよくないから無理はしないで。
それから、体調が悪くなったらすぐ私の所へ電話してね。」
奥本先生は、50代後半の優しい男の先生。
高校に入って、私は心臓に病気が見つかって今も内服治療と検査をして何とか高校にも通うことができている。
「うん。そうする。」
それから、身支度を整え奥本先生と一緒に家の戸締りと火元の確認をしてから家を出た。
高校までは、電車で30分のところにある。
遠すぎず、近すぎず私にとっては丁度いい距離と言える。
駅の改札を抜けると、私は先頭車両へ向かう。
先頭車両は、比較的空いていて朝の満員電車から逃がれるためにここを選ぶ。
学校の最寄り駅についてから、いつも幼なじみの華和(かの)と一緒に登校する。
「おはよう、心和。」
「華和、おはよう!」
「よっ!心和も華和も久々だな!」
「晴翔、珍しいね。朝練は休み?」
晴翔は、高校1年の時に仲良くなった。
それに、晴翔は華和の彼氏でもある。
「それじゃあ、私。先に行くね。」
2人の邪魔をしてはいけないと思い、私は自分のクラスを掲示板で確認してからクラスへ向かった。
よかった。今年も、窓際の1番後ろ。
この席は、私の特等席。
誰からも干渉されず、ゆっくりできる席だから好き。
私の本名は、吉野心和。
ここの、高校では「わ行」がいないから1番最後になる運命だ。
朝の8時。
セットしていた携帯のアラームが鳴った。
重い体を何とか起こし、立ちくらみが落ち着いてからゆっくりベットから出る。
軽く顔を洗って、歯を磨いてからリモコンに手を伸ばしテレビをつけた。
「…朝から、暗いニュースばっかり。」
一人言を呟いてから、私はキッチンへ向かう。
「本当だな。」
そんな一人言に返してくれたのは、去年から病気のことを含めて私の生活を支えてくれている主治医の奥本先生だった。
「おはよう、心和。体調はどう?」
「昨日より、だいぶいいかな。」
「そうか。まだ顔色はあまりよくないから無理はしないで。
それから、体調が悪くなったらすぐ私の所へ電話してね。」
奥本先生は、50代後半の優しい男の先生。
高校に入って、私は心臓に病気が見つかって今も内服治療と検査をして何とか高校にも通うことができている。
「うん。そうする。」
それから、身支度を整え奥本先生と一緒に家の戸締りと火元の確認をしてから家を出た。
高校までは、電車で30分のところにある。
遠すぎず、近すぎず私にとっては丁度いい距離と言える。
駅の改札を抜けると、私は先頭車両へ向かう。
先頭車両は、比較的空いていて朝の満員電車から逃がれるためにここを選ぶ。
学校の最寄り駅についてから、いつも幼なじみの華和(かの)と一緒に登校する。
「おはよう、心和。」
「華和、おはよう!」
「よっ!心和も華和も久々だな!」
「晴翔、珍しいね。朝練は休み?」
晴翔は、高校1年の時に仲良くなった。
それに、晴翔は華和の彼氏でもある。
「それじゃあ、私。先に行くね。」
2人の邪魔をしてはいけないと思い、私は自分のクラスを掲示板で確認してからクラスへ向かった。
よかった。今年も、窓際の1番後ろ。
この席は、私の特等席。
誰からも干渉されず、ゆっくりできる席だから好き。
私の本名は、吉野心和。
ここの、高校では「わ行」がいないから1番最後になる運命だ。
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