昨日、あなたに恋をした
 美人で仕事ができて、料理も上手くて、センスもいいとかっ、
と香椎は誠孝が聞いていたら、

「いやいやいや」
と手を振りそうなことを思っていた。

 (まれ)にある、アンチの方が対象者を過大評価しているパターンだった。

 実際、日子を愛する誠孝の、日子と日子の料理に対する評価は意外と低く。

「味はともかく、レパートリーと包丁さばきは、いまいち」
と思っていた。

 実際、美しく切るために、日子はものすごくゆっくり切っている。
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