昨日、あなたに恋をした
 どきりとしてしまう。

 何故、どきりとしてしまったのか。

 誠孝の部屋にみんなに入ってほしくないと思ってしまったのは何故なのか。

 答えが出ないまま、日子は、
「あのっ、うちで大丈夫なんで。
 みなさん、上がってくださいっ。

 沙知見さんもっ」
と早口に言い、みなを(うなが)した。

「そうか?
 お前のうちでいいのか?」

 そう誠孝は不満そうに言う。

「全員で入ったら、狭いだろう」

 いや、同じ広さですから、沙知見さんちと。

 今、うちに来いとあなた言いましたよ?

「こいつくらいは、うちで引き取ってもいいぞ」

 誠孝は何故か星野の腕をつかむ。

「いや……ひとり減ったところでたいして変わりませんから」

 そう言い、日子は断った。






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