昨日、あなたに恋をした
 ただ東城だけが帰り際、

「日子、俺は間違っていた」
と言い出した。

「俺は今まで、このセキュリティのしっかりしたマンションの入り口さえ見張っていれば、お前は安全だと思っていた。

 ……なにも安全ではなかったな」

 なにが安全ではなかったのでしょう……。

「すでに中にケモノが放たれている場合、出入り口を塞ぐのはむしろ逆効果だとわかったよ。
 おやすみ」

 だから、なんの話なんですかっ、と思っている間に、東城は星野と話しながら帰ってしまった。

 ふたりは何故か気が合うようだった。



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