昨日、あなたに恋をした
楓さんのインスタにコメントしたすべての痕跡を消し去ろう。
でも、沙知見さん側に兄がついたら、その消し去った痕跡から、逆にたどられそうだな。
素直に、ごめんなさいするべきか。
職場に行くのとは違う道を歩きながら、香椎は悩む。
誠孝が彼女に調査を頼んだのは、ある意味正しかった。
知らない間に、嫌がらせの抑止となっていたからだ。
誠孝が、彼女が犯人だと気づかなかったのは、自分が彼女に好意を持たれていると気づいていなかったからだろう。
仕事とは違い、恋愛に関しては誠孝は随分と勘が鈍かった。