昨日、あなたに恋をした
「それはおめでとうございます」
おばあさんの米寿の祝いなのに、スペイン料理でいいのだろうかと思っていたのだが。
おばあさん自身がスペイン料理が好きなのだということだった。
「暇を見つけては海外行ってるような、ばあさんだからな」
新太はそう言ったあとで、
「日子がばあさんを迎えに行って連れてくるんだ」
と突然、日子の話題を出してきた。
誠孝はようやくそこで気がついた。
そういえば、ここまで一度も日子の話が出ていない。
自分と新太は、日子を介しての知り合いのようなものなのに、ちょっと変だな、とこの時点で思った。
新太が炭酸水の入ったグラスを手に、満席のカウンターの方を見ながら訊いてくる。
「シゲタカ、お前のところの社報は見たか」
……うちの社報ですからね。
おばあさんの米寿の祝いなのに、スペイン料理でいいのだろうかと思っていたのだが。
おばあさん自身がスペイン料理が好きなのだということだった。
「暇を見つけては海外行ってるような、ばあさんだからな」
新太はそう言ったあとで、
「日子がばあさんを迎えに行って連れてくるんだ」
と突然、日子の話題を出してきた。
誠孝はようやくそこで気がついた。
そういえば、ここまで一度も日子の話が出ていない。
自分と新太は、日子を介しての知り合いのようなものなのに、ちょっと変だな、とこの時点で思った。
新太が炭酸水の入ったグラスを手に、満席のカウンターの方を見ながら訊いてくる。
「シゲタカ、お前のところの社報は見たか」
……うちの社報ですからね。