昨日、あなたに恋をした
「い、一ヶ月後とかどうですか」
と誠孝に言ったのと同じことを言ってみたのだが。

「別に散らかっててもいいわよ。
 想像ついてるから」
と日子のデスクの上を見て、郁美は言う。

 いやあの、これ、仕事終わりには片付けてるんですよ……。

 時間がなくて、打った端から、横に積み重ねてるから雑然としてるだけで。

「やったあ、郁美さんも一緒っ。
 楽しみですっ。

 日子さんがお好きなケーキ、持っていきますねっ。

 郁美さん、この間行ったカフェのケーキ買っていこうと思うんですけど。
 どれがいいですか?

 ああっ。
 なんか、わくわくしてきましたね~」

 無邪気に喜ぶ裕子を見ながら、日子は、

 そう?
 私はなんだか、ドキドキしてきたんだけど……、
と思いながら、心臓に手をやった。



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