昨日、あなたに恋をした
「いやだって、星野は私の部屋の惨状、想像ついてるでしょうが。
 新人さんの夢、壊したくないのよね~」

「それはしょうがないだろ。
 お前くらい忙しかったら、部屋も散らかるって」

 そう星野は言ってくれるが、

 でも、同じような条件でも、沙知見さんちは片付いてるんだよな~、
と日子は思う。

「ありのままに、お前の汚い部屋を見せた方が、西森にも、よくわかっていいんじゃないか?
 いいマンションに住めるのは、馬車馬のように働いてるからだって」

 うーむ。
 人様の口から、汚い部屋と言われると、よりグサッと来るな~、
と思う日子に、星野は言う。

「なにもかも完璧にやろうとすると疲れるぞ」

「そうなんだけどね~。
 苦もなくやりそうというか。

 嬉々としてやりそうな人を見るとちょっとね」
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