転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
「リア、どうしたんだ?」
店の外で座り込むスーリアに気付いたリジェルが外まで様子を見に来た。
「あ、リジュ。見て、子猫がいたの。可愛いわ。この辺のおうちの飼い猫かしら?」
「猫? さあ、聞かないな。首輪がないし、捨て猫じゃないか?」
リジェルもスーリアの前でちょこんと座る子猫を見て首を傾げた。スーリアとリジェルを見比べて、ミャア、ミャアと子猫が鳴く。
「『ミャア』って鳴くのが、『ミア』に聞こえるわ。この子、ミアって名前にしようかしら?」
「リア、飼うのか?」
「捨て猫なら、飼いたいわ。連れて帰って飼っていいか聞いてみる」
スーリアは行きに花を乗せてきた手押し車にミアを乗せた。ミアは大人しくちょこんと手押し車に乗って澄ましている。真っ直ぐに前方を向いて座っている様が何とも可愛らしい。その後ろ姿を見て頬を緩めながら、スーリアはご機嫌で自宅へと帰宅したのだった。