転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
アルフォークが指さしたのは薄いピンク色のチューリップの蕾だった。その淡い色合いがスーリアの髪の毛の色とよく似ているとアルフォークは言った。
「ピンクは確か、『愛の芽生え』だったと思います」
「なるほど。よく憶えておこう。花言葉は俺とスーの秘密の暗号だな」
アルフォークが笑う。とても優しく、そして美しい笑顔だ。スーリアは自分の胸に手を添えた。アルフォークが笑うたびに胸の音が煩い。
「綺麗だな」
アルフォークが一輪の花に手を添えた。スーリアは「そうですね」と短く答え、すっかりと赤くなった顔を隠すために俯いたのだった。