転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
 スーリアが機嫌がいい理由。その一つにはもちろん花畑が広くなった事もある。

 でも、最大の理由は違うことにスーリアは気付いていた。何故なら、夕食を準備しながらも頭の中は彼のことでいっぱいになっていたから。

 今日のアルフォークは珍しく花に加えて野菜を分けて欲しいと言った。スーリアは自分が手伝っている畑からちょうど食べ頃を迎えたトマトときゅうり、ナスを渡したのだが、アルフォークは食べてくれているだろうか。美味しいと思ってくれたらいいなと思った。

「ああ、それで。私もスーリアの育てた花って凄く綺麗だと思うわ」

 メリノは納得したように笑顔で頷いた。

「ねえ、スーリア。私とスティフの結婚式、よかったらスーリアの花を使いたいの。いいかしら?」
「結婚式? 勿論よ!」

 スーリアは目を輝かせた。
 姉のメリノと恋人のスティフの結婚式は半年後だ。
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