転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~

16.魔術研究所への納品依頼

 王宮の魔術研究所の一画。今日も煌びやかな三人組は優雅にテーブルを囲んでいた。
 今日はルーエンの更なる研究成果を聞くためだ。

 そして、そこで聞くのは何とも不思議な話だった。

「まず、この花はやっぱり聖魔術の浄化の力がある。魔法陣で意図的に空間を歪ませてこの花を置くと、自然と空間の歪みが正される」

「勝手にか?」とアルフォークは確認した。

「そうだよ」とルーエンは頷く。

 空間の歪みというのは同じ場所で発生しやすい。聖魔術師が一度浄化しても、数カ月するとまた同じ場所に空間の歪みが発生して魔獣が現れるのはよくあることだ。
 ルーエンの話が本当であれば、そういった空間の歪み頻発地域にこの花を置けば、空間が歪むのを長期間に亘り防止できるはずだ。

「あとは、御守りの効果がある。前にも見せたとおり、この花は攻撃魔法が効かない。そして、この花を身に付けておくとその人にも攻撃魔法が効かなくなる。アルがサンダードラゴンの攻撃を受けても怪我一つ無かったのは恐らくこの効果だよ」
< 132 / 386 >

この作品をシェア

pagetop