転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
「スーリアの花を国の魔術研究所に卸して欲しい。これが正式な依頼書だ。一応、お父上のベン殿にも許可を貰いたいと思ってな」
アルフォークがベンとスーリアの前に差し出した書類には美しい文字でルーデリア王国の魔術研究所に花を卸す許可と王宮内の庭園を使用する許可を与える旨が書かれていた。最後には少し崩した文字で『エクリード=ジ=オム=ルーデリア』とサインが入っている。
「私の花を? 魔術研究所に?」
スーリアは思いがけない話に目をパチパチとさせた。
「私、趣味で花を育てているだけでガーデナーとしての経験は無いですし、殆ど素人なのですが……」
自分の花が国の魔術研究所に納品されるなど恐れ多いとスーリアは恐縮した。ルーエンはそんなスーリアの緊張をほぐすように笑いかける。