転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~

「スーリアちゃんの花って綺麗なのはもちろんだけど、凄く保ちがいいだろ? なんでなのか調べたいなと思ってさ。野菜も育ちが早いらしいし。然るべき報酬はもちろん払うよ」
「私の花などでいいのですか?」
「もちろん。スーリアちゃんの花がいいんだ。あと、今日は野菜も」
「野菜も?」
「うん。お父上の手伝いをしているんだろ? それを少しだけ分けて貰いたいんだ。野菜は定期的に王宮に納品しに来てもらうか、僕らが取りに来るよ。あと、この長持ちする花が場所の問題なのかを探りたいからスーリアちゃんには王宮の庭園でも花を育てて欲しい。やることは今まで通りに花を育てて、それを魔術研究所に卸すだけだよ」

 スーリアはアルフォークとルーエンを見比べ、おずおずと気になることを質問した。

「私、時々パン屋でお手伝いをしているのですが、王宮のお庭は一日中いないと駄目ですか?」
「いや、花の世話をする間だけで平気だ。そんなに広いエリアでもないから一時間も居れば十分だと思う」とアルフォークが言った。

 スーリアは父親のベンをうかがい見た。ベンはそれくらいならスーリアさえよければ、と頷いた。  
 スーリアもベンがいいというならば問題はない。

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