転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
すぐ近くの花で羽根を休め蜜を吸う蝶を見つけてマニエルはストンと椅子から降りた。
そっと近づくと、蝶はふわふわと飛び立つ。そのまま夢中になってその蝶を追い掛けていると、「何しているの?」と後ろから声を掛けられてマニエルはハッと振り向いた。
後ろに立っていたのはマニエルより少し年上の綺麗な男の子だった。黒い髪は緩くうねり、瞳は黒曜石のよう。目はたれ目で優しそうな雰囲気を纏っている。
マニエルは返事する代わりに視線を移動させた。いつの間にか蝶はだいぶ遠くへ飛んでいってしまっている。マニエルはがっかりした。男の子はそんなマニエルの視線を追い、「ああ、あれ……」と呟いた。次の瞬間、ぽんとその蝶が忽然と姿を消す。
「あら? 消えたわ」
「はい。これをどうぞ」
隣に立つ男の子が驚くマニエルに差し出したのは、球体の遮断壁に囲まれた先ほどの蝶だった。
「まあ! すごいわ」
「僕、魔法は得意なんだ」
そっと近づくと、蝶はふわふわと飛び立つ。そのまま夢中になってその蝶を追い掛けていると、「何しているの?」と後ろから声を掛けられてマニエルはハッと振り向いた。
後ろに立っていたのはマニエルより少し年上の綺麗な男の子だった。黒い髪は緩くうねり、瞳は黒曜石のよう。目はたれ目で優しそうな雰囲気を纏っている。
マニエルは返事する代わりに視線を移動させた。いつの間にか蝶はだいぶ遠くへ飛んでいってしまっている。マニエルはがっかりした。男の子はそんなマニエルの視線を追い、「ああ、あれ……」と呟いた。次の瞬間、ぽんとその蝶が忽然と姿を消す。
「あら? 消えたわ」
「はい。これをどうぞ」
隣に立つ男の子が驚くマニエルに差し出したのは、球体の遮断壁に囲まれた先ほどの蝶だった。
「まあ! すごいわ」
「僕、魔法は得意なんだ」