転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
喜ぶマニエルに男の子はそう言ってはにかんだ。
レディに虫をプレゼントするなんてどうにかしていると普通なら眉をひそめる場面だけれど、マニエルはこの瞬間に間違いなく落ちたのだ。その時からマニエルの心はずっとあの男の子──この日婚約者として初めて出会ったルーエンのものだ。
「私、綺麗に見えるかしら?」
マニエルは鏡の中の自分自身を見つめた。
ルーエンが会いに来てくれたと聞き、マニエルの心は躍る。
この前会ったとき、普段は花などくれることがないルーエンがピンク色の可愛らしいカーネーションの花束をプレゼントしてくれた。これまでにない婚約者の行動にマニエルはとても喜んだ。その花がまだ綺麗に咲いているのが鏡越しに目に入り、マニエルは自分でも気付かないうちに微笑む。あまり待たせてはならないので鏡の前で簡単に身繕いするとすぐに応接室に向かった。
「お待たせしましたわ。ルーエン様」
「ううん、突然来てごめんね」