転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
治癒魔法をかけたはずが益々赤くなったマニエルを見て、さすがにルーエンも気づいた。
これは病気ではなく照れているのだと。顔が赤くなるだけでなく、目は涙目になっている。愛称を呼ばれ、少しおでこを触れただけでこんなにも照れるとはなんとも可愛らしい婚約者であるとルーエンは口もとを緩めた。
一方、俯いていたマニエルはいつもより近い距離にルーエンが来たことにより、ルーエンの黒いケープに獣毛のような毛が付いていることに気がついた。袖と胸の辺りに何本かついている。
「ルーエン様? 何かの毛が付いてますわ」
ルーエンはそう言われて自分のケープを見た。黒いケープなので薄茶色の短い毛が目立っている。
「ああ、これは猫の毛だよ」
「猫?」
「友達が飼っているのを抱っこしたんだ」
ルーエンは汚れたケープを気にすることなく、にこにこしながらマニエルにそう教えた。
「ルーエン様は猫がお好きなのですか?」
「うん、可愛いよね」
目元を優しく細める婚約者の姿を見て、マニエルは自身の頭のメモ帳にしっかりと『ルーエン様は猫がお好き』と記録した。
大好きな婚約者のことは何だって知っておきたいのだ。
これは病気ではなく照れているのだと。顔が赤くなるだけでなく、目は涙目になっている。愛称を呼ばれ、少しおでこを触れただけでこんなにも照れるとはなんとも可愛らしい婚約者であるとルーエンは口もとを緩めた。
一方、俯いていたマニエルはいつもより近い距離にルーエンが来たことにより、ルーエンの黒いケープに獣毛のような毛が付いていることに気がついた。袖と胸の辺りに何本かついている。
「ルーエン様? 何かの毛が付いてますわ」
ルーエンはそう言われて自分のケープを見た。黒いケープなので薄茶色の短い毛が目立っている。
「ああ、これは猫の毛だよ」
「猫?」
「友達が飼っているのを抱っこしたんだ」
ルーエンは汚れたケープを気にすることなく、にこにこしながらマニエルにそう教えた。
「ルーエン様は猫がお好きなのですか?」
「うん、可愛いよね」
目元を優しく細める婚約者の姿を見て、マニエルは自身の頭のメモ帳にしっかりと『ルーエン様は猫がお好き』と記録した。
大好きな婚約者のことは何だって知っておきたいのだ。