転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
アルフォークに案内されたのは王宮の正門から歩いて二十分ほどの場所にある、正面の庭園とは隔離された魔法薬の薬草園の一画だった。薬草園ではルーエンが待っていた。
「リアちゃん、いらっしゃい」
「こんにちは、ルーエンさん。今日からお世話になります」
「いやいや、こっちからお願いしたからいいんだ。リアちゃんの花畑にはこの辺りがいいかと思ったんだけどどうかな?」
ルーエンは薬草園の端の空き地になっている区画を指さした。
スーリアが自宅で管理している花畑の半分程度の広さで、一時間で世話するにはちょうどいい大きさだ。あたりに遮るものもなく、日当たりもよさそうに見えた。
「あと、こちらが薬草園で働くミリーだよ。リアちゃんに物の場所とかを教える指導役を任せてるから困ったことがあったらミリーに聞いてね」
紹介されたミリーは快活そうな女性だった。年はスーリアよりは少し上に見える。赤茶色の髪を三つ編みにして両側に垂らしていた。
「こんにちは、リアちゃん。よろしくね」