転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
──聖魔術師。
スーリアの持つ知識では、たしか、空間の歪みを正す力を持っており魔法騎士団と行動をすることが多い人達の筈だ。
「聖魔術師様を騎士様と間違えて申し訳ありません」
スーリアは一旦言葉を止めて、気になっていたことを聞いた。
「空間の歪みって、最近減ったりしてますか?」
「空間の歪み? うーん、どうだろう? あまり感じないな」
エリクは考えるように顎に手をあてた。
「減っては居ないが、ここ数カ月の王都の空間の歪みの発生頻度は横ばいだな。増えてはいない」
ここ数ヶ月、王都の空間の歪みの発生頻度は横ばいだ。ここ何年かは毎月のようにずっと右肩上がりの増加だったので、これは異例なことに思えた。
「そうですか……」
スーリアは目を伏せた。
シュウユはスーリアに『下界を浄化してきて欲しい』と言った。エリクの『減っていない』という言葉に、自分はその役目をきちんと果たせているのだろうかと、一抹の不安を覚える。