転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
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 アルフォークは空間の歪みを正す聖魔術師への同行から帰ってくると、身につけていたプレートアーマーを外した。
 下着類はしっとりと汗で濡れている。その汗を吸った下着を脱ごうとして、アルフォークはポケットに入れた花の包み紙に気付いた。包みの中には先日スーリアに貰ったマーガレットの切り花が入っている。そっと包み紙を広げると、マーガレットは身体と下着と防具に挟まれて潰されたせいで瑞々(みずみず)しいままに押し花のようになっていた。

「潰れてもやはり枯れないのだな……」

 アルフォークは押し花を机に置き、先ずは汗と土ぼこりで汚れた身体を手早く清めた。魔法騎士団の制服に着替えてホッと息をつく。

 今日の空間の歪みには魔獣がいた。三角獣と呼ばれる三本の立派な角を持ったサイのような魔獣だ。性格はどう猛で、こちらが仕掛けなくても容赦なく襲ってくる。闇属性魔法を操り、皮膚を切り裂く風の攻撃をしてくることもあった。
 幸い、今回は誰も被害無く無事だったが、一歩間違えば多数の負傷者がでても不思議はない。

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