転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~

「全体的に軽い火傷だな。治してやる」

 エクリードはアルフォークにその場で治癒魔法をかけ、治療したのだった。


 ***


 王宮の執務室に戻ったアルフォークは鎧を脱ぐと下着から包み紙を取り出した。スーリアの花が入った包み紙だ。包み紙を開くと、中の花は予想通りに灰になっていた。

 アルフォークはこれまでの事を思い返した。初めてこの不思議な花の効果を知ったのはサンダードラゴンに襲われた時だ。その時、サンダードラゴンの雷撃を受けてもアルフォークは傷一つ無かった。その後もたびたび花の力には助けられたが、毎回無傷だった。それなのに、今回は軽い火傷を負った。

「なぜだ?」

 アルフォークは眉間に皺を寄せ、独りごちる。

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