転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
「今ここに居ると言うことはスーの体調不良ではなさそうでよかったのだが……」
「あの、大したことじゃ無いんですけど──」
スーリアはパッと目を伏せた。飼い猫の体調不良で元気が無かったとなどと言ったら、アルフォークに呆れられるかも知れないと思ったのだ。
「大したこと無くは無いだろう? 現に今、スーは元気が無い」
アルフォークは僅かに眉間に皺を寄せた。
「俺では相談相手にもならないか?」
「いえ! 心配してくれて、すごく嬉しいです。実は、その……ミアが……」
「ミア?」
「私の飼っている猫です。数日前から体調を崩したのか全然ご飯を食べてくれなくて──」
説明しながら涙がこぼれ落ちそうになって、スーリアは慌てて目尻を指で拭った。
ほわほわの毛に被われているので分かりにくいが、ミアは少し痩せてきたように思える。もしかしてこのまま死んでしまうのではないかと不安だった。