転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
 チラッとアルフォークの方を見ると、アルフォークは窓の外を眺めていた。スーリアもそちらを見る。外はすっかりと暗くなっていた。
 時間としてはいつもなら夕食の終わるくらいの時間帯だが、この暗さは普段だったら絶対に出歩かない。日本にいた時のように街灯が発達していないので、外は真っ暗になるのだ。

 帰り道、アルフォークは光属性の魔法を使って辺りを照らしながら馬を走らせた。
 行きはミアの体調が心配で気にもならなかったが、帰りは相乗りしている体の近さが妙に気になった。背中にアルフォークの気配を感じて、落ち着かない。触れ合う場所が熱を持ったように熱い。

「スー、どうした? 疲れたか?」

 後ろにいるアルフォークに尋ねられ、スーリアの胸の鼓動はまたもや跳ね上がった。なまじ距離が近いものだから、頭の上のあたりに吐息を感じる。

 ──近い、近すぎるわ!

 もはやスーリアの胸は痛いくらいの早鐘を打っていた。

「スー?」

 またもやアルフォークの怪訝そうな声が聞こえて、スーリアは胸に抱えるミアをぎゅっと抱きしめた。
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