転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
「あの……。馬に乗るのが初めてなので、高くて緊張してしまいました。行きはミアに気を取られて気付かなかったのですが……」
スーリアの声は段々と尻すぼみになる。
「ああ。この馬は軍馬な故、普通の馬よりさらに大きいからな」
アルフォークが後ろでふっと笑う気配がした。
「絶対に落とさないと約束するから安心してくれ」
腰に回された腕にグッと力が籠る。スーリアは緊張から身体が強張り、ピンと背筋を張った。
──近い。近いんです!
喉元まで出てきた言葉は気恥ずかしさから口に出すことは出来なかった。
アルフォークはまっすぐにスーリアを自宅まで送り届けてくれた。