転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
「そこまでは固くないはずです。殿下の顎がやわなのではないでしょうか?」
「なに? もしかして、魔獣に組み敷かれたときに噛みついて抵抗する訓練のために作ったのか?」
「まあ、そのようにお考え下さい」
「なるほど……。今までにない発想だ」
しきりに感心するエクリードの横で、『そんなわけないだろ』と思いながらルーエンは笑いをかみ殺したのだった。
***
アルフォークは自分の執務室に戻り際、薬草園に立ち寄った。端っこの花畑ではスーリアが花の世話をしているのが見えた。真剣な顔で枝を見ながら何かをしている様子を見て、アルフォークは頬を緩めた。
「スー」