転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~

「スー」とアルフォークはスーリアに呼びかけた。
「その力は多くの権力者が欲しがる。聖魔術師の何十人、いや、何百人に匹敵する力だ。むやみに話すとスーが危険にさらされる」
「信じてくれるの?」
「……噓なのか?」
 
 見上げたスーリアを見下ろすアルフォークは器用に片眉を上げた。スーリアは首を少し傾げて見せた。

「本当よ」
「なら、出来るだけ黙っているんだ。わかった?」
  
 アルフォークはスーリアの顔を覗き込んだ。その真剣な眼差しが、自分を心配してくれているのだと感じさせてくれて胸の奥にこそばゆさが広がった。

「うん」

 頷いたスーリアの頭にポンと乗せられた手はとても優しかった。

「スーは女神から花の浄化の力を操る力を受け継いだのか?」
「いいえ。シュウユ様は私に花を育てろとだけ言ったわ」
「他には何も?」
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