転生聖女の異世界スローライフ~奇跡の花を育てたら魔法騎士に溺愛されました~
隣に居たミリーの声を拾い、スーリアは口の中でその名前を小さく呟いた。
プリリア王女の名前は何回か聞いたことがある。確か、アルフォークのことがお気に入りで、近衛騎士にと望んでいるのをエクリード殿下が断っていると聞いた。
スーリアはアルフォークの隣に居る女性に目を向けた。遠目に見ても、とても美しい女性だ。渡り廊下に灯された魔法の光を浴びて、その金の髪はキラキラと輝やいている。
プリリア王女は何かをアルフォークと喋りながら歩いていた。片手に羽のついた扇を揺らしており、反対の手にはアルフォークの手が重ねられている。口元は隠れているので見えないが、楽しそうに笑っているように見えた。
スーリアは自分の姿を見下ろした。
目に入るのは一日中作業をしたせいで薄汚れたエプロンと、今日の手伝いのために支給されたシンプルなワンピース。装花作業で何度も水を触ったせいで手先はカサカサしている。
来賓客の目に入る可能性があるため、装花師同士で化粧をし合ったが、本当に必要最低限だ。遠目に見るプリリア王女と比べて、なんだか自分がとても恥ずかしい存在のように思えた。
全員が広間に入り、外にまで楽団の演奏が聞こえてくる。それに合わせて中で男女が向き合ってダンスを踊っているのが見えた。
その中に、淡い水色の髪を見つけてスーリアの心はツキンと痛む。向かい合うアルフォークとプリリア王女はとてもお似合いの美男美女に見えた。ただの平民で、立場的には薬草園併設の花畑管理人であるスーリアには、あの場に行くことは出来ない。
窓ガラス越しに見えるアルフォークの姿が、とても遠くに感じる。鋭い胸の痛みを感じたスーリアはぎゅっと胸元のネックレスを握りしめた。
プリリア王女の名前は何回か聞いたことがある。確か、アルフォークのことがお気に入りで、近衛騎士にと望んでいるのをエクリード殿下が断っていると聞いた。
スーリアはアルフォークの隣に居る女性に目を向けた。遠目に見ても、とても美しい女性だ。渡り廊下に灯された魔法の光を浴びて、その金の髪はキラキラと輝やいている。
プリリア王女は何かをアルフォークと喋りながら歩いていた。片手に羽のついた扇を揺らしており、反対の手にはアルフォークの手が重ねられている。口元は隠れているので見えないが、楽しそうに笑っているように見えた。
スーリアは自分の姿を見下ろした。
目に入るのは一日中作業をしたせいで薄汚れたエプロンと、今日の手伝いのために支給されたシンプルなワンピース。装花作業で何度も水を触ったせいで手先はカサカサしている。
来賓客の目に入る可能性があるため、装花師同士で化粧をし合ったが、本当に必要最低限だ。遠目に見るプリリア王女と比べて、なんだか自分がとても恥ずかしい存在のように思えた。
全員が広間に入り、外にまで楽団の演奏が聞こえてくる。それに合わせて中で男女が向き合ってダンスを踊っているのが見えた。
その中に、淡い水色の髪を見つけてスーリアの心はツキンと痛む。向かい合うアルフォークとプリリア王女はとてもお似合いの美男美女に見えた。ただの平民で、立場的には薬草園併設の花畑管理人であるスーリアには、あの場に行くことは出来ない。
窓ガラス越しに見えるアルフォークの姿が、とても遠くに感じる。鋭い胸の痛みを感じたスーリアはぎゅっと胸元のネックレスを握りしめた。